週刊 MIXBO

2018.12.17. 第2号_________伝説のピコピコ裏話


それは「ピコピコシティ」から始まった!

♪まだかな まだかなぁ 学研の おばちゃん まだかなぁ♪というフレーズで始まる「学研のおばちゃんソング」がテレビCMで流れてた懐かしい時代。学習研究社、いわゆる学研(出版社)が出していた学習雑誌。そこに今でも伝説のように語られる読者ページがありました。

 

それが学研「4年の学習」(1983年〜1999年)に連載していた読者ページ「ピコピコ」シリーズです。そして、その「ピコピコ」シリーズを代表するのが、ご存知【ピコピコシティ】!(ご存知じゃない方は、この機会にぜひ知っておいてほしい。笑)

 

今回は、その「ピコピコシティ」の創作にまつわる裏話を中心に、まだ明かされていないエピソードをご紹介しながら「ピコピコ」の謎に迫りたいと思います。

 

ちょっとややこしい「ピコピコシティ」!?

 まずは学研「4年の学習」読者ページの「ピコピコ」シリーズが、どれだけあったのかを詳しく見て行きましょう。ピコピコ読者ページの年度別タイトルがコチラ↓(ブログ「ピコピコ読者ページ」より)

伝説の読者ページ4年の学習「ピコピコ」シリーズは16年間で全タイトル9種類! ↑ 年度別リストをご覧になった皆さんは、もうお気づきかと思いますが、厄介なことに「ピコピコシティ」だけは7年間(7回)も継続しているのです。しかも6回目と7回目の間には別名タイトルのピコピコが2年分も挟まれた状態なので、何だか とっても ややこしい。

 

継続するなら16年分まるごと「ピコピコシティ」にするとか、いっそ全タイトル変えるとか出来なかったのかいっ!とツッコミ入れたくなりますが(笑)ピコピコらしい自由さの表れだな。ということで「ピコピコシティ」を読んでた読者の皆さんは混乱しないように年度別で判断してみてください。(最終の「ピコピコショック」も2年分あります。こちらも年度別でご判断くださいね)

 

 

さて、ピコピコといえば各年度ごとに個性的なキャラクターが登場しているのが特徴ですが(この雑誌は各学年ごとに刊行されていたので新学期の始まる4月号〜翌年の3月号という1年の括りになっています)実在の編集者たちが読者ページの中に登場しているため、途中、担当編集者の移動などが重なる度に、この登場キャラクターたちに影響を与えることになったりしました。

 

リアルと虚構の境界線が絶妙なバランスで曖昧…というか適当で(笑)小学4年生の子供たちにとって、作者が繰り出す独特な世界観が奇妙で面白く、作者と一体になり作り出しているというワクワク感も加わり(ハガキを投稿していても、していなくても)ピコピコの刺激的で(しかも)ゆるい世界観に、みんなが夢中になったと思われます。

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では、さっそく、ここから週刊MIXBOならではの(ある意味、偏ってる?笑)質問を作者(くぼ)に、ぶつけてみたいと思います。インタビュー形式でピコピコの始まりから編集裏話まで詳しく話を聞いて行きましょう。

 

 

その前に、ピコピコ初心者の方にはデイリーポータルZさんでのパリッコさんの「4年の学習」伝説の読者投稿コーナー「ピコピコシティ」の取材記事をお勧めしたいと思います。作者くぼへの取材も絡めながら(なんとパリッコさんは当時のピコピコ読者だった!→)パリッコさん自身が読者だった1988年度「ピコピコシティ」の紹介を中心に元ピコピコ読者ならではの視点でピコピコの面白さ&楽しみ方を非常に解りやすく的確に語っていらっしゃいますので、まだ未読の方は、そちらの取材記事も是非、併せてご覧ください。

 

 

 

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「ピコピコ」作者に ロングインタビュー

 ___そもそも「ピコピコ」って誰が名付けたの?

 

 

くぼ:最初の担当編集者さんとの打ち合わせの時に「ピコピコ」だったから。その担当さんが決めたのかな? ただ、依頼されたタイトルは「ピコピコシティ」じゃなくて「ピコピコ共和国」だった。

 

 

___え?どうして、それが「ピコピコシティ」に?

 

 

 くぼ:「共和国」が自分的にはイケてないというか抵抗があって、自分から「ピコピコシティ」ってタイトルを提案。変更してもらった。4年目の「ピコピコシティ」の中でも詳しく答えてるよ。(↓これ)

依頼された仕事なのに「タイトル」にダメ出しするワガママな作者(笑)

(1986年度「ピコピコシティ」8月号より)

まさかの主人公たちの名前の由来!?

___パリッコさんの記事にもあるけど、ピコピコ1年目と2年目以降の主要キャラが違ってるようだけど、ここでは それぞれの名前の由来とか詳しく聞いていい?

 

 

くぼ:1年目のケーコU作は何となく浮かんだ名前。ナポリはナポリタン・スパゲッティから付けてる(笑)ただ、カタカナだったりアルファベットを混ぜたりで新しい感じがする名前っていうのは意識してたかも。

 

 

___じゃあ、2年目以降の みみ美愛作ブルースは?

 

 

くぼ:その当時、気に入っていた映画(邦画)の登場人物の名前から取ってる。マニアックな映画だから何だか分かったら凄いと思うよ。

 

 

___みみ美、 愛作、ブルース。当時の映画マニアだったら簡単に分かるのかな?

 

 

くぼ:いや、簡単じゃないでしょ。3人全部 分かったら何か あげたいぐらいだよ。

 

 

___分かる人いたら、ぜひ当ててみてくださーい。私は正解をこっそり聞きましたが、ここは敢えて秘密にしておきます。皆さん、ピコピコの謎を解いてお楽しみくださいね。

※↑画像をクリックすると大きく見えます※

___ピコピコって当時の人気は、どうだったの?

 

 

くぼ:1年目に関しては全く分からない。ハガキも決められた掲載分だけを渡されてたから、全部で、どのぐらいハガキが来てるのかも分からないし。そーいうことに、あまり興味も無かったのかも。仕事として割り切ってたのかな(笑)

 

 

___2年目以降は、どう?

 

 

くぼ:アンケート結果で人気トップということは何度も聞いていたし、読者のハガキも打ち合わせの時に、毎回、何百枚っていうレベルで持ってくるようになってた。つい最近になって、当時の担当さんの一人と会う機会があって聞いたんだけど、当時は毎月のようにハガキが巨大なダンボールいっぱいに届いていたらしいよ。担当さんが、その中から丸二日かけてハガキを選んで打ち合わせに持って来てたらしい。その中からピコピコに採用されるハガキを選ぶんだけど、元々のハガキの量を知ってる担当さんに言わせると「ピコピコ誌面にハガキが掲載されるのってメチャクチャ倍率が高かったんですよ〜!」だって。今更だけど、さすがに毎月、巨大ダンボール箱に一杯!って。そこまでの量のハガキが届いてたとは驚いたよ。

 

 

___それってアイドルのファンレター並みじゃない?(驚)

 

ハガキを届ける担当のコーゼンちゃん(毛深い、しかも全裸!)

コーゼンちゃんのテーマソングが

「セクシャル・バイオレットNO.1」の替え歌に なってるのもツボ(笑)

(1989年度「ピコピコシンドローム」より)

実在のキャラクターご本人も、みんな個性的?

___打ち合わせは主に喫茶店だったらしいけど、編集部でやったことはなかったの?

 

 

くぼ:基本的に編集部には行ったことない(笑)16年描いてて編集部に行ったっのって何かの用事で2回ぐらい。特に最初の数年は担当さんと原稿を取りに来てくれる女性の編集さん以外、編集部の人とは全く面識もなかった。 

 

 

___ということは…編集部の人たちが1年目からピコピコに登場してるけど、会わずに描いてるってことなんだ。ちなみに編集部の人たちを出すっていうのは全部、決められてたこと?

 

 

くぼ:うん。紹介の意味でね。会ったことは無いから顔を描く参考に写真を見せてもらったりしてね。写真がなかった某編集さんの場合、美少年風に描いて!みたいなリクエストされたこともあった。で、自分のイメージで今で云うボーイズラブ的な妖しい男性を上半身裸で描いちゃったんだけど、雑誌になったページを見たら勝手に その裸の絵に服が描き込まれてるんだよ(笑)一種の抗議だよね。まあ、後から思うとリクエストの美少年風って言うのは単にイケメンに描いて欲しかっただけなんだよね、きっと。で、よっぽど その絵が嫌だったのか、最後には本人の写真をピコピコ誌面に載せてたから「オレは、あんなんじゃない!」って言いたかったんだと思うよ(笑)

 

 

 ___(爆笑)それ1年目でしょ?最初から めっちゃ暴走してるじゃない!よく1年目で仕事を切られなかったよね(笑)2年目以降は名物キャラの編集さんたちがドンドン活躍するようにもなるけど、それは自分のアイデア?

 

 

くぼ:学研の読者ページは、どの学年も編集部の人たちが登場してるし、そんなに特別なことじゃないと思うよ。それに名物キャラと言えるほどの個性的な編集キャラが登場するのって3年目以降じゃないかな。

 

 

___ホントに個性的なキャラクターが多いよね。そこで、読んでた読者が、もっとも聞きたい質問のひとつだと思うんだけど…本当に皆んな、あんなに個性的なの?実際にはどうなの?

 

 

くぼ:そりゃあ、ピコピコのキャラみたいな姿はしてないけど(笑)皆んな、それぞれ個性的だったと思うよ。担当さんの場合は会ったときの印象や趣味を聞いたりしてデフォルメしてキャラ化するんだけど、やりすぎることもあって、今、振り返ってみると強烈なキャラになりすぎてチョット申し訳なかったな〜って気持ちになったりする人もいるよ(笑汗)

 

 

___あははは。

担当の編集さんとかは打ち合わせで毎回、顔を合わせてるから分かるんだけど、編集部にも行かないのに、どーやって編集長とか担当以外の編集さんたちをキャラ化出来てたのか不思議なんだけど?

 

 

くぼ:やっぱり基本は写真を見せてもらって担当さんからどんな人物なのかを詳しく聞く。あとは、その情報から想像を膨らませて作って行く感じかな。そうこうしているうちに食事に行く機会があったり年末になれば忘年会なんかがあるから、そこで直接、会ったり話す機会があれば、さらにキャラが深まっていく(笑)

 

 

___顔や性格も含めて、ある意味、本人たちの持ってる個性を引き出して誇張してるとも言えるのね。

 

 

くぼ:3年目以降は、そうだね。

2年目の担当だった「師岡記者」なんかは、当時、僕が劇画っぽい絵を描きたかったので、単にそれ風に描いたキャラで全く本人には似てないよ(笑)ちなみに師岡さんは、部署の移動を繰り返した数年後、ピコピコに編集長として再び戻って来たときの名前は「ファイヤーモロ岡」で、2年目のキャラとは似ても似つかない。だけど本人に近いのは「ファイヤー」の方(笑)

 

 

___同じ人間を描いてるのに似ても似つかないって…適当で自由だなぁ(笑)

 

「ピコピコシティ」2年目に登場の本人とは別人の師岡記者。シリアスな顔が途中から、くだけた表情に変化しています(1984年度より)

1991年度「ピコピコシティ」に戻って来たモロ岡ちゃんに かつてのダークな暗いイメージはない!逆に炎の男!熱い編集長として「ファイヤーモロ岡」と名乗っている(1991年度3月号より)


 

___そういえば「4年の学習」編集部に、上層部からピコピコに対してのクレームが来たことがあるって都市伝説のように聞いたことがあるんだけど?(笑汗)

 

 

くぼ:ああ、それね。今、話してた師岡記者が出てる2年目の「ピコピコシティ」のときの話だね。当時の編集長(小野編集長)が上から『あの暗い読者ページを何とかしろ!』って言われたらしくってさ(笑)

 

 

___暗い読者ページ!?(爆笑)

 

 

くぼ:ずっと後になって飲みの席で小野編集長本人から聞いた話なんだけどね。「暗いページがダメならカラーページにして明るくすりゃいいや〜!」って「ピコピコの扉をカラーにしたら人気がトップになっちゃってサ〜」って言ってた(笑)

 

 

___なんか軽っ!(大笑)

当時から私も よく知っていた小野編集長だけど、会う度に「僕はねぇ、くぼちゃんを羽交い締めにして目玉を舐めちゃったんだよねぇ。うふふふ」って自慢してた(笑)え?なんで目玉?そ、それのどこが自慢??(汗)って当時は意味がよく分からなかったんだけど。今、思えば、いかにもピコピコの編集長!(笑)

 

 

 

「ピコピコ」シリーズには色々な名物編集長が登場していますが(ピコピコの中では)やや大人しめの扱いだった小野編集長も、とてもユニークな人物。その小野編集長の策略?が功を奏してか「ピコピコシティ」は読者のアンケートで見事1位を獲得!という嘘のような本当の話。こうしてピコピコ読者ページ2年目にして「ピコピコ」シリーズが16年間も続くキッカケになったともいえる伝説的エピソードでした。

 

何とかしろ!と言われた「暗い読者ページ」▲  暗いというか、もう暗黒街(笑)

(1984年度4月号&5月号より)

その後カラーで描いた扉絵がコレ

暗黒街から ▲ みみ美のピチピチ水着!?グラビア?

振り幅ありすぎだし「ビンビン」って表現が時代を感じるわ〜(笑)

(1984年度8月号より)

ここまで2〜3年目の「ピコピコシティ」のことに話が集中してますが、今回は珍しく1年目の「ピコピコシティ」にも注目したいと思います。1年目の「ピコピコシティ」だけはピコピコっぽくないので別物!って作者(くぽりん)は公言してますが(先ほどのボーイズラブ風の美少年に描いたエピソードも含めて。笑)よ〜く読んでみると、すでにピコピコの世界観を感じさせる片鱗が見えてる気がします。なので、本人は嫌がってる為、勝手に載せたいと思います(笑)が、35年ぶりの公開なので、ある意味、貴重ともいえるかもしれません。

 

 

1983年度「ピコピコシティ」記念すべき1年目の読者ページ。下の欄外?余白スペースだけは作者(くぼ)が自由にマンガを描くことができました。自由に描いてただけあって、すでに、くぽりん色が出てます出てます(笑)

この展開 ▲ 何度となく繰り返される

編集さんの移動に伴うストーリーの雛形?(笑)

余白マンガ ひと月分 ▲ まとめてみました

(1983年度 1年目の「ピコピコシティ」10月号より )

___16年も続くピコピコは途中からタイトルが「ピコピコシティ」じゃなくなっちゃうけど「ピコピコシティ」のままでも良かったんじゃないかと思うんだけど、なぜタイトルを変えてしまったの?

 

 

くぼ:最初は担当さんに提案されたからかな。「心機一転で、タイトルのピコピコ部分だけ残して新しくしましょうよ!」って、新しく担当になったコーゼンちゃん(1989〜1991年度の担当編集者)から提案されたんだ。で、一緒に考えたのが「ピコピコシンドローム」。その後から、なんとな〜く毎年、変わるようになった。

 

 

___なるほど。「ピコピコシンドローム」は「ピコピコシティ」に次ぐ(いや、それ以上かも?)まさにピコピコを代表する脂の乗り切った時代のピコピコとなっているよね。その当時の読者はピンポイントで今も通称「ピコシン」と呼び続けてて、ピコシン愛を強く感じる感想も時折、耳に目にすることもあるから、タイトル変更もありだったのかもしれない。おかげで「ピコピコシティ」以外は年度の区別もつきやすい(笑)

 

「おねえのコーナー」は、こうして出来上がった!

___ピコピコの各コーナーについて聞きたいんだけど。

 

 

くぼ:読者ページのコーナーって基本があるよね。「ドジのコーナー」や「家族のコーナー」みたいなヤツ。そいうのは初めから決まってた。やっぱり外せない基本だとは思うよ。だって、年度の始まりって読者は実質、小学3年生だからさ、難しいことは書けない(笑)でも、基本を押さえつつも、その年度によって適当に面白そうなコーナーを勝手に作ってることもあったかな。例えば、かなり後の方の年度だったと思うけど「生まれてきたのは、なぜさコーナー」なんていうのもあった。あ〜なんか深いなあ(笑)あと、比較的初期のピコピコの頃は担当さんが考えたコーナーや担当さんが受け持ってるコーナーもあったかな。

 

 

___そーいえば、読者だった4年生本人からじゃなくて、そのお姉さんからのハガキを紹介する「おねえのコーナー」というのがピコピコの一つの特徴でもあったけど、これはどういった経緯で、そんなハガキを載せることになったの?

 

 

くぼ:そのコーナーはピコピコが始まって数年経ってからだよね。連載が何年か続いて最初は元読者だった中学生のお姉さんが弟や妹が読んでる「4年の学習」のピコピコを見て懐かしくなってハガキを送って来た。それを各コーナーに紛れさせて載せたりしてたんだけど、そーいうハガキが増えてきて、それならコーナー作った方がいいとなって出来たコーナー。最初から「おねえのハガキ」を募集したわけじゃないんだよ。ちなみに お兄のハガキが来たときも「おねえのコーナー」に載せてたよ。ハガキの数は圧倒的に おねえが多かったけどね。あと悪ノリして「幼児のコーナー」なんてのも募集したこともあった(笑)

これがピコピコ名物 ▼ 「おねえのコーナー」

なぜか女子中学生や女子高校生からのハガキがたくさん届いたのだった

(1991年度「ピコピコシティ」9月号より)

↓お兄(左)から来たハガキ

(1991年度「ピコピコシンドローム」11月号より)

「幼児のコーナー」

↓↓↓

___「幼児のコーナー」まであるって凄いな(笑汗)

ところで、お兄からのハガキは、おねえほど来なかったのね。

 

 

くぼ:おねえのハガキが異常に多かったからな〜(笑)懐かしさでハガキを出してくる。それって文章でイロイロ書いてくるわけだから手紙書くのが好きな女子のが多くなるんじゃないかな。あと基本的にこんなピコピコだけど(笑)女の子からの支持率が高かったんだよ。っていうのも、女の子パートを受け持ってたみみ美の人気が高かったからだと思うよ。

 

 

___たしかに、みみ美は読者の女の子たちに大人気だったよね。

 

 

くぼ:みみ美は今で云うツンデレに近いのかも? 男子に対してメッチャ強くて意見とかもハッキリ言うけど、女の子らしいとこもちゃんと持ってるキャラだったから。みみ美に悩みを相談するコーナーとかもあったしね。答えてるのってオレなんだけどね(笑)

 

 

___読者は同い年の女の子・みみ美だと思ってたのに!(笑涙)

 

 

くぼ:あ、でも、自分の中に「みみ美」っていうキャラが出来上がっていたから。よく漫画家がキャラが立ってるとキャラが勝手に動いてくれるって言うけど、それ。みみ美だったら、こう言うな、こう答えるなってわかる。だから、答えてるのはオレって言ったけど、やっぱり、みみ美なんだよね。

 

みみ美のコーナー ▼「みみ美の まかせなさい」

(1992年度「ピコピコエクスプレス」10月号より)

(1993年度「ピコピコサンバ」8月号より)

(1994年度「ピコピコどんぶり」11月号より)

 

___ここでズバッと聞くけど、一時期、自分のペンネームで遊んでたでしょ? 何で「くぽ やすぴと」って変ネーム使ってたの? 最近、改めて調べなおしてみたら、すでに「ピコピコシティ」の時からチラチラ使ってることが分かった! 1989年代の「ピコピコシンドローム」では6月号から最終回まで作者名が、その変ネームになってて読者の記憶では完全にくぽ先生って事になっちゃってる(笑)※ちなみに、くぼ やすぴとっていう名前半分、変ネームの号もあったりする※

 

 

くぼ:なんで使ったかなんて覚えてないよ。

 

 

___ギャグ?

 

 

くぼ:うーん、面白いと思ったんだろうね。

それに「くぽりん」だからサ「くぽ」は いいんだよ。

やすぴとの)は ともかく(笑)

 

 

___長い間「くぽ やすぴと」なんて使っちゃうから、しばらく仕事の郵便物の宛名が変ネームのままで参ってたよね。郵便物の受け取りの度に恥ずかしいって。いつになったら相手がギャグだったと気付いてくれて普通のペンネームに戻してくれるのかって(笑)おまけに本当のペンネームを知らない編集さんまで出て来ちゃって、打ち合わせの喫茶店の席で「くぽ先生」と真顔で呼ばれたときには、さすがに焦ったって。必死に説明して普通のペンネームに戻してもらったって、以前 言ってたよね(大笑い)

 

 

くぼ:郵便物のことは覚えてるけど喫茶店の打ち合わせは、ぜんぜん覚えてない。

 

 

___過ぎたことはスグ忘れるタイプだな(呆れる)

真顔で変な名前を呼ぶハメになった真面目な編集さんが お気の毒…(笑涙)

 

最初はみんな普通の服を着てる!?

___これ、チョット知りたい人もいると思うんだけど、ピコピコ全キャラの中で主要キャラを除いて、作者としては誰が一番のお気に入り?

 

 

くぼ:みんな好きだから選べないなぁ…

みんな違って、みんないい(笑)

 

 

___そこを無理に!

特にココが好きだなと思うキャラクターは?

 

 

くぼ:特にってわけじゃないけど「コーゼンちゃん」「鳥越ちゃん」「ハンギョ桑名」あたりは微妙な差で、ちょっと他のキャラより愛着があるかもしれない。

 

 

___キャラクターがよく出来てるとか?

 

 

くぼ:う〜ん。っていうより、たぶん他のキャラたちより登場期間が長いからじゃないのかな。付き合ってた時間の長さが、よりそう感じさせるのかもしれない(笑)だって登場期間が多少、短めの「いりっぺ」「コーノリン」「ムーミン岡山」も好きだしなあ。

 

※↑画像をクリックすると大きく見えます※

___私も「ムーミン岡山」って好きかも! お腹に袋が付いてて中に担当編集のコーゼンちゃん(コーゼン記者)を入れてるのが可愛かった(笑)でも、編集者をお腹の袋に入れてる編集長って…意味わからな〜い(大笑)

 

 

くぼ:意味わかるじゃん!有袋類は お腹の袋の中で子供を育てるんだよ。編集長だって編集者を育てるんだからお腹の袋に入れててもいいんだよ!

 

 

___そ、そんな深い意味があったの? 今まで知らなかったよ!!

 

 

くぼ:いや、それは今、思いついただけ(笑)

 

 

___なんだ!一瞬、信じちゃったよ、も〜!

 

 

くぼ:でも「ムーミン岡山」って、初登場のときは普通に服 着てたんだよ。ネクタイも締めてるし。

 

 

___え?そーなの?じゃあ、途中から、あのスタイルになったんだ。

 

 

くぼ:途中っていうか、登場の翌月から。なんか服を脱いじゃうキャラが多いんだよね。ピコピコの編集キャラって(笑)ムーミン岡山の前任編集長だった桑名さんだって最初は普通のスーツ姿、次の登場時には、まずズボンがウロコ柄!最初は単にズボンの柄だったんだよ!それが、その次には全身ウロコ・スーツになってる。気が付いたらカラダ自体にウロコがあるハンギョキャラになってた(笑)

 

 

___コーゼンちゃんもそのパターン?

 

 

くぼ:そうだね。コーゼンちゃんも初登場時はハイネック姿の好青年だった。なのに翌月には上半身のハイネックだけ残して下半身は裸になってる(笑)

 

 

___ハイネックに下半身、裸って。やばいよ〜!も〜なんで下は裸?(爆笑)

 

 

くぼ:毛深さを強調するためでしょ(笑)

その後は白いTシャツに下は裸というスタイルで定着したけど、そのTシャツですら脱いでることも多かった。全身素っ裸(大笑)

 

 

___もうエロいよ(笑涙)

 

 

くぼ:コーゼンちゃんは毛で隠してるからエロくないんだよ。その証拠に一度もクレームが無かったんだから!(←誇らしげに胸を張る)

 

1989年度「ピコピコシンドローム」1月号に初登場しているムーミン岡山。最初は学習の編集長らしくスーツにネクタイ姿! 2月号になったら服も着てなかった(笑)

ムーミン岡山のポッケには、なぜかコーゼンちゃんが入ってる(笑)

初登場では、ちゃんと服を着てたのに、いつの間にか全身ウロコスーツのハンギョ桑名ちゃん。一応、編集長(笑)


キャラ認知度が低いエッチ嫌いな「大沢ちゃん」

ピコピコの脂が乗ってる全盛期の頃の編集者キャラの紹介が続きましたが、作者くぽりんの暴走(笑)が始まりつつある3年目1985年度の「ピコピコシティ」に個人的には かなり気になる編集キャラがいます。その名は「大沢記者」。ピコピコファンの間でもキャラ認知度は今ひとつですが、地味ながらも読んでいるうちにジワジワくるものがあるので、今回はこの大沢ちゃんに注目してみようと思います。まずは知らない方の為に、ここで少し「大沢記者」の解説をしておきます。

 

この年度の担当編集者だった大沢記者は、とにかくエッチや下品なことが大嫌いで(大沢記者からするとピコピコなんて、とんでもない読者ページなわけで。笑)エッチや下品な内容の読者ハガキを見つけては「けしからーん!」と、いつも怒ってる。というキャラなのです。その大沢記者、最終回では読者のハガキ選びに完全燃焼して燃え尽きてしまうのでした(笑)

 

これが大沢ちゃん! 担当編集キャラですが

まだ3年目のピコピコなので、服 着てます(笑)

なんだか大沢ちゃん、カワイイ(笑)

こんなキャラだったので大沢ちゃんは結婚していることや、学習の他の記事ページで裸祭りをふんどし姿で取材していることをピコピコ読者から「エッチじゃないかー」と逆突っ込みされてました(笑)毎号、読者とのエッチ&下品バトルが、なかなか面白い やり取りになってます。

1985年度「ピコピコシティ」最終回の大沢ちゃん

あの名作マンガのパロディ。当時の

ギャグ漫画家は誰もがやった お約束!(笑)

 

___今回、読み返してみて、大沢ちゃんが妙に面白かったりしたんだけど(笑)実際の担当の大沢さんもエッチなハガキを嫌がってた?

 

 

くぼ:やっぱり学習雑誌だからさ。実際はハガキというよりは…どちらかといえば自分が描いてた下ネタとかに関してだったと思うんだけど、チェックが入って、めっちゃ直されたりしてたんだよね。 

 

 

___ええっ!?そ、そおーーだったのお?(驚)

(普通に考えれば、たしかにそーかもしれないけど、あれだけ下ネタを自由にやってたピコピコだけに直されてたとはマジで驚きました。笑)

 

 

くぼ:まあ、優等生的なものだけを描いていれば問題なかったんだろうけど、それじゃあ自分が面白くない。それで「これは悪い例です」と言ってしまえば、チェックが入るような内容でも掲載することは出来るんじゃないかと考えた。そうして出来たのが「エッチ嫌いキャラの大沢記者」(笑)

 

 

___それは凄い!革命だ!!!(笑)

 

 

くぼ:大沢記者を極端なエッチ嫌いで下品嫌いで下ネタ嫌いという「潔癖なキャラ」ににすることで、それ自体がギャグにもなってるし、半分、皮肉にもなってるという(笑)ちなみに実際の大沢さんはエッチが嫌いかどうかは知らないよ(笑)

 

 

___そうか、そうやってピコピコはタブーを打ち破って来たんだ!! あの自由すぎる伝説の読者ページが出来上がった鍵は、そこにあったんだね。それは、なかなか凄い。面白い話だよね。

 

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ロングインタビューを振り返ってみて

今、改めて振り返ってみてもピコピコは本当に過激な読者ページだったと思います。当時の学習雑誌にあれだけ自由にやりたい放題が出来たのも奇跡的なことだったと思いますが(ある意味、ピコピコが健全な世界だったからこそ出来た奇跡なのかもしれません。おかげで この時代にはピコピコの全ページを堂々と載せることが非常に難しい。笑汗)問題のない範囲で少しでもピコピコの世界をピコピコ好きの方たちのためにも紹介し続けることが今後も出来ればと思いながら、今回はここまで。

 

最後に作者が あまり気乗りしない(笑)1年目(1983年度)最終回(3月号)の

余白マンガ部分をまとめたものを約35年ぶりに特別に大公開!

「ピコピコシティ」1年目の最終回ページを公開したのは

本誌発売以来、今回が初!ある意味とっても貴重!?

 

ナポリ…ほとんど愛作(笑)1年目は主要キャラの3人と編集部の人たち

そして「ヒッポ」という羊のキャラクターも活躍!

 

1年目の「ピコピコシティ」のハガキ紹介は編集部の指示通りに描かれていた

わけですが、余白スペースには作者くぽりんが自由にマンガを描いていたようで

最後の回は、映画好きの くぽりんらしい最終回になってます

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<最後に>

ピコピコを書籍化してほしい!という元読者のピコピコファンの皆様からの声をよく聞きます。この時代ですから、内容的に難しい部分もあるとは思いますが、逆にいろんな方面から声が上がれば書籍化も夢じゃないのでは?とも思います。皆さん、根気よく声を上げ続けてください(笑)いつかは奇跡が起きるかもしれません。それまでは危ないネタを外しながら(笑)週刊MIXBOでは定期で「ピコピコ」シリーズの特集を今後も取り上げて行きます。

次回も どうぞお楽しみに!